专利摘要:
本発明は、水素、および担体上にルテニウムを含む不均質触媒の存在下で、2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランを触媒的に水素化し、次いでこのようにして得られる化合物を強酸性カチオン交換体と接触させることを含む、シス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの製造方法に関する。 なし
公开号:JP2011506552A
申请号:JP2010538694
申请日:2008-12-17
公开日:2011-03-03
发明作者:カマスズ,マルティン;ケーニヒスマン,ルシア;ゴットヴァルト,ギュンター;シュヴァブ,エッケハルト;シューベルト,ユールゲン;スラニー,ミヒャエル;プファッフ,クラオス−ペーター;ワルヒ,アンドレーアス
申请人:ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se;
IPC主号:C07D309-04
专利说明:

[0001] 本発明は、水素、および担体上にルテニウムを含む不均質触媒の存在下で、2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランを触媒的に水素化し、次いでこのようにして得られる化合物を強酸性カチオン交換体と接触させることを含む、シス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの製造方法に関する。]
背景技術

[0002] シス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランは、ローズオキシドとも称される、価値ある芳香化学物質である。当該化合物は、通常対応するトランス-配置化合物とのジアステレオマー混合物の形態で製造されるが、特定されたシス-配置の化合物は、より良い匂いを有するために、より価値ある化合物であるとわかった。上記のジアステレオマーを互いに分離するのは非常に困難であるので、特に工業的な規模で製造されるときには、好ましいシス異性体(ローズオキシド)ができるだけ選択的に高収率で形成される製造方法がずっと必要とされている。]
[0003] Tetrahedron Letters No. 51, 4507-4508, 1970において、J.H.P. TymanおよびB.J. Willisは、3-アルケン-1-オールとアルデヒドとの酸触媒反応、具体的には3-メチル-2-ブテン-1-アールと2-メチル-1-ブテン-4-オールとの反応とそれに続く脱水について記載する。このようにして得られ、環外メチレン基を有する中間体は、SnCl2/H2PTCl6の存在下、均質触媒の下で水素化されて、ラセミのシス-2-(2'-メチル-1'-プロペニル)-4-メチルテトラヒドロピランを与えた。]
[0004] WO 79/00509は、4-位にエキソ-メチレン基を有する対応する前駆体の触媒的水素化による、シス異性体に富む、シス-およびトランス-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの混合物の製造方法を開示する。ラネーニッケルおよびパラジウム触媒、具体的には炭素上のパラジウムが、適切な水素化触媒として特定されている。水素化生成物を酸またはルイス酸試薬で処理することにより、異性体富化(isomer enrichment)が達成される。好ましいルイス酸として、三フッ化ホウ素が特定されている。]
[0005] 例として記載されている、ラネーニッケルを用いる水素化とそれに続く蒸留によって、理論値の87.9%の収率で、4:6の比のシスおよびトランス異性体混合物が製造される。この混合物は、次の異性化で、理論値の86.5%の収率で、約85:15の比の異性体混合物へと変換される。]
[0006] EP 0 082 401 A1は、主として、すなわち少なくとも85%までZ異性体を含むローズオキシドの製造方法を開示する。この方法は、強酸性カチオン交換体の存在下で、二酸化白金または白金/炭素触媒上での2-[2-メチルプロプ-1-エニル]-4-メチレンテトラヒドロピラン(「デヒドロローズオキシド」)の水素化を含む。]
[0007] 例として記載されている、デヒドロローズオキシドからローズオキシドへの異性化水素化において、E異性体の異性体含量90.5%およびZ異性体の異性体含量7%で、理論値の87%以下の収率が達成される。]
[0008] 国際公開第79/00509号パンフレット
欧州特許出願公開第0 082 401 A1号明細書]
先行技術

[0009] J.H.P. TymanおよびB.J. Willis, Tetrahedron Letters, 第51巻, p. 4507-4508, 1970年]
発明が解決しようとする課題

[0010] この従来技術から出発して、本発明の目的は、処理に関して扱いが容易であって、高い全体収率と共に、所望のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランについて可能な限り最高の選択性を有するように工業的規模で行うことができる、ジアステレオマーに富むローズオキシドの製造方法を提供することであった。この方法においては、安価で、容易に回収でき、かつ容易に再利用できる、出発物質ならびに試薬および触媒を使用することが可能でなければならない。]
課題を解決するための手段

[0011] 本発明によれば、式(I)



のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの製造方法であって、
a)水素、および担体上にルテニウムを含む不均質触媒の存在下で、式(II)



の2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランを触媒的に水素化して、式(I)の化合物および式(III)



のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランを含む反応混合物を得る工程; ならびに
b) 適切であれば、工程a)に従って得られる反応混合物から式(I)および(III)の化合物を分離する工程;および
c) 工程a)またはb)で得られる式(I)および(III)の化合物を強酸性カチオン交換体と接触させ、式(III)の化合物を異性化させて式(I)の化合物を得る工程
を含む方法を提供することによって、この目的が達成された。]
[0012] 本発明による方法は、式(I)



のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの製造のために適切である。この化合物はまた、以下でローズオキシドと称され、通常は、そのジアステレオマーである式(III)



のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランとの混合物の形態で製造される。]
[0013] 好ましい実施形態の範囲内では、本発明による方法は、式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランおよび式(III)のトランス-2-(2'-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランとの異性体混合物の製造方法に関する。特に好ましい実施形態の範囲内では、本発明による方法は、異性体混合物の量に基づいて、少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは90〜98%の式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1'-エニル)-4-メチルテトラヒドロピラン、および多くとも30%、好ましくは多くとも10%、特に好ましくは2〜10%の式(III)のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランを含む、式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランおよび式(III)のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランとの異性体混合物の製造方法に関する。]
[0014] ここで特定されたそのジアステレオマー混合物は、本発明による製造方法の過程において、通常、一般に90重量%以上、好ましくは95〜99.9重量%、特に好ましくは97〜99.5重量%の高い化学純度(各場合、2種のジアステレオマーの合計に基づく)で製造される。]
[0015] 本発明によれば、式(I)および(III)の化合物は、ラセミ形態で製造される。化学式(I)および(III)の表記はしたがって、2つの立体中心の相対配置を明示するために供されるものであって、各場合は、それぞれの鏡像体対のラセミ混合物を表す。したがって、本発明に従い使用することができる出発物質もまた、式(II)の2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランのラセミ体であり、これは主に任意の方法によって製造することができ、その性質または純度は、合成目的のために通常である範囲内でどのような特定の要件にもとらわれない。]
[0016] 好ましい実施形態の範囲内では、本発明による方法はまた、追加の上流プロセス工程として、式(IV)



の3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)と、式(V)



の3-メチルブタ-2-エン-1-アール(プレナール)とを、酸の存在下かつ水と共沸混合物を形成する溶媒の存在下で水を遊離させながら反応させることにより、式(II)の2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピラン(デヒドロローズオキシド)を提供することを含む。]
[0017] 本発明による方法の特に好ましい実施形態の範囲内では、その手順は、式(IV)の3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)と式(V)の3-メチルブタ-2-エン-1-アール(プレナール)との上記した反応中に遊離される水を、使用される溶媒との共沸蒸留によって反応混合物から分離することを含む。このために、水と共沸混合物を形成する個々の溶媒または異なる溶媒の混合物のいずれかを使用することが可能である。このために、水との共沸混合物を形成する溶媒であって、その特定の溶媒または溶媒混合物自体より低い沸点を有する溶媒、好ましくは約60〜約120℃の範囲、特に好ましくは約65〜約90℃の範囲にその共沸混合物の沸点がある溶媒を用いることが好ましい。この実施形態の範囲内で好ましく使用できる溶媒は、例えばエタノール、ベンゼン、テトラクロロメタン、酢酸エチル、トルエン、クロロホルム、n-ヘプタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンを含む溶媒の群より選択されるものであり得る。水と共沸混合物を形成する特に好ましい溶媒は、トルエン、クロロホルム、n-ヘプタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンを含む群より選択されるものであり得る。とりわけ好ましい溶媒は、トルエンおよびn-ヘプタンであり、ことのほかトルエンが好ましい。]
[0018] 共沸蒸留による、反応中に遊離される水の分離は、当業者にそれ自体公知の方法によって、および/またはこの目的のために適切な装置、例えば水分離器を用いて、行うことができる。]
[0019] 上記した共沸蒸留の範囲内で使用されるべき、各場合に選択される溶媒または溶媒混合物の量は、広い範囲で選択することができ、通常、選択される反応条件だけでなく水を分離するために使用される装置によっても左右される。使用される出発物質3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)および3-メチルブタ-2-エン-1-アール(プレナール)の全量に基づき、約1:1〜約2:1、好ましくは約1:1〜約1.5:1(すなわち少し過剰)の定量的な比で、選択された溶媒または溶媒混合物を使用するのが有利であることがわかった。反応を行った後、溶媒は通常容易に分離することができ、さらなる反応の過程で再利用することができる。]
[0020] 3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)および3-メチルブタ-2-エン-1-アール(プレナール)との反応によって場合により行われるべき式(II)のデヒドロローズオキシドの供給もまた、酸の存在下で行われる。このために適切な酸は、有機酸および無機酸の両方、例えばp-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、または硫酸水素アルカリ金属塩であるとわかった。好ましい実施形態の範囲内では、3-メチルブタ-3-エン-1-オールと3-メチルブタ-2-エン-1-アールとの反応は、硫酸水素アルカリ金属塩、例えば硫酸水素ナトリウムまたは硫酸水素カリウム、好ましくは硫酸水素ナトリウムの存在下で行われる。]
[0021] 選択される酸は、好ましくは触媒量で使用され、通常、反応されるべき出発物質3-メチルブタ-3-エン-1-オールおよび3-メチルブタ-2-エン-1-アールの合計量に基づいて、約0.01〜約1重量%の量で使用される。]
[0022] イソプレノールとプレナールとを縮合させることによるデヒドロローズオキシドの製造のための反応は、通常、選択される溶媒または溶媒混合物および選択される酸に依存して、約60〜150℃の範囲、好ましくは約70〜120℃の範囲の温度で行なわれた後、概してたいてい急速に終わり、しばしば約24時間後またはそれより早く終わる。得られる反応混合物は、当業者に公知の方法、例えば抽出法によって、適切であればその後、使用される酸を中和することによって、後処理することができる。かくして粗生成物として得られる式(II)のデヒドロローズオキシドはその後、例えばクロマトグラフィーによって、または好ましくは(分別)蒸留によってさらに精製することができ、その間、特に通常副生物として生じるネロールオキシドだけでなく、さらなる高沸点の二次的成分を分離することができる。]
[0023] 式(I)の化合物および式(III)の化合物を含む反応混合物を得るように、本発明による方法のプロセス工程a)に従い行われるべき式(II)の2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランの触媒的水素化は、水素の存在下でかつ担体上にルテニウムを含む不均質触媒の存在下で行われる。好ましくはここで、炭素担体上にルテニウムを含む触媒を使用する。該触媒は、適切であればさらなる金属を、例えばドーピングの形態で含むこともできる。これに関しては、当業者によく知られている担体物質、例えばSiO2、Al2O3、グラファイト、カーボンブラックまたは活性炭が、担体という用語の下に特定される。これらの中で、好ましい担体は、炭素担体、すなわち当業者によく知られた炭素を主材料とする担体物質、例えば活性炭、グラファイトまたはカーボンブラックを意味するとして理解されるべきである。挙げられ得る好ましい炭素担体は、活性炭、例えばNorit(登録商標)SX Plusである。]
[0024] 好ましい実施形態の範囲内では、プロセス工程a)は、担体上に鉄をドープされたルテニウムを含む触媒の存在下で行われる。特に好ましくは、本発明によるプロセス工程a)は、炭素担体上に鉄をドープされたルテニウムを含む触媒の存在下で行われる。そのような触媒は公知であり、例えばEP 0 071 787およびEP 1 317 959に記載されており、その全体がこれに関して本明細書において引用される。本発明により特に好ましく使用されるべき触媒は、炭素担体、好ましくは活性炭上に、各場合に完成した触媒に基づいて、0.1〜10重量%のルテニウムおよび0.1〜5重量%の鉄、特に好ましくは4〜6重量%のルテニウムおよび0.5〜1.5重量%の鉄を含む触媒である。]
[0025] プロセス工程a)に従い本発明により行われるべき触媒的水素化は通常、約50〜約150℃の範囲、好ましくは約70〜約130℃の範囲の温度で、かつ約1〜約25バールの範囲、好ましくは約2〜約10バールの範囲の絶対圧力で行われる。本発明により行われるべき触媒的水素化はまた、その反応条件下で不活性な溶媒、例えばメタノール、ヘキサン、テトラヒドロフランの存在下で行うことができる。]
[0026] 使用されるべき水素は、純粋な形態で、または所望であれば他の気体、好ましくは不活性な気体、例えば窒素またはアルゴンとの混合物の形態でも使用することができる。好ましくは、希釈されない形態での水素を使用する。]
[0027] 使用する触媒を、例えば濾過によって分離し、適切であれば使用する溶媒を好ましくは蒸留によって分離した後、式(I)および(III)のジアステレオマー化合物を含む反応混合物が得られ、適切であれば反応混合物はまた、さらなる不純物、望ましくない二次的成分、あるいは未反応の出発物質の残余を含むことができる。]
[0028] 本発明による方法の、場合により行うべきプロセス工程b)に従えば、所望であれば、工程a)に従い得られる反応混合物から式(I)および(III)の化合物の分離を行うことができる。この目的のためには、当業者に適切と思われる物質分離の方法が利用でき、例えばクロマトグラフィーまたは好ましくは蒸留を利用できる。挙げることができる適切な蒸留装置は、例えば短路蒸留のための装置、例えば薄膜エバポレーターあるいは充填カラムもしくはパックドカラムだけでなく、プレートカラムである。]
[0029] プロセス工程a)に従いこのようにして得られるか、または任意のプロセス工程b)に従うその後の精製によって得られる、式(I)および(III)の化合物の混合物を次に、別途のプロセス工程c)に従い、強酸性カチオン交換体と接触させることにより、式(III)の化合物が異性化されて式(I)の化合物を得る。]
[0030] これに関して、式(III)の化合物、すなわちトランス-ジアステレオマーを、完全にまたは部分的に、通常部分的に、式(I)のジアステレオマー、すなわちシス-ジアステレオマーへと変換することができる。結果として、本発明による方法の別途のプロセス工程c)を行った後には、プロセス工程a)および/またはb)により最初に得られる混合物よりも高い含量の所望の式(I)の化合物を有する、式(I)および(III)の化合物の混合物が得られる。このようにして、好ましくは式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランおよび式(III)のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランのジアステレオマーに富む上記混合物が得られ、これは、異性体混合物の量に基づき、少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは90〜98%の式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピラン、および多くとも30%、好ましくは多くとも10%、特に好ましくは2〜10%の式(III)のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランを含む。]
[0031] 本発明による方法のプロセス工程c)に従う異性化は、強酸性イオン交換体、すなわち強酸性カチオン交換体、例えばLewatit(登録商標)S100、Lewatit(登録商標)SP112、Lewatit(登録商標)S115、Lewatit(登録商標)SP1080、Lewatit(登録商標)SC102、Lewatit(登録商標)SPC118、Lewatit(登録商標)CNP80、Lewatit(登録商標)HD5、Amberlite(登録商標)IR120、Amberlite(登録商標)IR200、Amberlyst(商標)15、Bay.KAT.K 2431、Bay.KAT.K 2621、Dowex(登録商標)50、Permutit(登録商標)RS、Wofatit(登録商標)KPS 200、Duolite(商標)C-3、Duolite(商標)C-10、Duolite(商標)C-25、Wofatit(登録商標)F、Wofatit(登録商標)D、Wofatit(登録商標)P、Zeoxex(Zeo karb H)、Nalcite HCR、Nalcite HGR、NalciteHDR、Permutit(登録商標)Q、Permutit(登録商標)RS、およびSerdrolit(登録商標)Redの存在下で行う。選択される強酸性カチオン交換体はまた、2種以上の異なるカチオン交換体の混合物の形態で使用することができる。本発明によれば、カチオン交換体Lewatit(登録商標)SP112および/またはAmberlyst(商標)15を使用するのが好ましい。]
[0032] 本発明による方法の好ましい実施形態の範囲内では、選択されたカチオン交換体は、固定床の形態で使用され、プロセス工程a)またはb)から得られる反応されるべきジアステレオマー混合物は、そのまま、または反応条件下で不活性な適切な溶媒中の溶液の形態で、それを通過する。好ましくは、異性化されるべき混合物を、選択された強酸性カチオン交換体と、希釈されない形態で接触させる。これに関しては、固定床を、例えば反応管中に選択されたカチオン交換体の床の形態で配置することができ、異性化されるべき混合物を、このようにして充填された反応管中を通過させる。このために、反応器は、当業者に適切と思われる全ての操作方式で、例えば液相方式で、または、本発明に従って、好ましくは、異性化されるべき混合物が、選択されたカチオン交換体の床上を少量ずつ流れる細流方式で、操作することができる。]
[0033] このように、プロセス工程c)の範囲内で、本発明による好ましい連続反応の手順もまた可能である。好ましい実施形態の範囲では、プロセス工程c)はしたがって、連続的に行われる。ここで、異性化されるべき式(I)および(III)の化合物を含む混合物は、例えばカチオン交換体が充填されている反応器へと導入することによって、カチオン交換体へと連続的に通され、かつ例えば異性化された混合物を反応器から排出することによって、それから連続的に再び分離される。]
[0034] 異性化されるべき式(I)および(III)の化合物の混合物をまた、例えば上記の固定床反応器から排出されるジアステレオマーに富む異性体混合物を同じ反応器に戻すことによって、選択された強酸性カチオン交換体と、あるいは異なる強酸性カチオン交換体と、次々と繰り返し接触させることができる。所望であれば、異なるカチオン交換体も充填され得る幾つかのそのような反応器を、順番に次々と通過させて、上記した所望のジアステレオマー比を達成することも可能である。]
[0035] プロセス工程c)による異性化は通常、約0〜約100℃、好ましくは約20〜約80℃の温度で行われる。]
[0036] 以下の実施例は、いかなる限定もすることなく、本発明を説明するために供される。]
[0037] 実施例1:
撹拌機、水分離器、冷却器および計量ポンプを備えた5リットルの容量の反応容器に、2000gのトルエンおよび1.5gのNaHSO4(10%濃度水溶液として)を最初に導入し、7.67モル(660g)の3-メチルブタ-3-エン-1-オールおよび7.67モル(643.5g)の3-メチルブタ-2-エン-1-アールを、110〜115℃にて16時間にわたって計量して入れた。トルエンと共沸させることにより、反応混合物から水を連続的に除去し、トルエンを系内に戻した。次に、反応混合物を115℃にてさらに5.5時間撹拌した。得られた反応混合物を次に、2%濃度のNaOH溶液278gで洗浄した。Raschigリングを充填した30cm長さのカラムを通して、200ミリバールの圧力にてトルエンを留去した。デヒドロローズオキシド(DHR)への変換率は、理論値の62.7%であった。最後にDHRを、ネロールオキシドおよび高沸点の二次的成分から蒸留によって分離し、>99%の純度で得た。]
[0038] 実施例2:
このようにして得られたデヒドロローズオキシド(DHR)を、激しく撹拌しながら、4バール(実験a))または3バール(実験b)およびd))の水素圧ならびに100℃の温度で、500mlのBuchi実験用オートクレーブ中で処理した。反応終了後、触媒を濾別した。]
[0039] 実施例2a):
112gのメタノールに溶かした74.2gのデヒドロローズオキシドを、活性炭上に5重量%のルテニウムおよび1重量%の鉄を有する触媒1.1gの存在下で、上記のようにして水素化した。表1に示した時間に得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィーによって分析した(GC法:カラム:DB-210、30m、0.32mm、0.5μm;50℃、3℃/分にて230℃まで)。表1に示す結果が得られた(各場合、GC面積%にて表示、各場合の変換率および選択率は%にて表示)。]
[0040] 実施例2b):
実施例2a)に記載した触媒1重量%の存在下で、溶媒を添加せずに、270gのデヒドロローズオキシドを水素化した。これにより、表2に示す結果が得られた。]
[0041] 実施例2c):
上記の実施例2b)で使用し、濾過によって分離した触媒を、他の条件は変えずに、この実験において再利用した。表3に示す結果が得られた。]
[0042] 実施例3:シス/トランスローズオキシドの異性化
1リットルのフラスコ中で、シス-およびトランス-ローズオキシド(比0.4:1)の混合物452.4gを、4.5gのイオン交換体SP112 H-形と共に、50℃にて全実験時間6時間にわたって撹拌した。イオン交換体Lewatit(登録商標)SP112 H-形は、使用前に、水がなくなるまでメタノールで数回洗浄した。ガスクロマトグラフィーにより確かめられた結果を表4に示す。]
[0043] 実施例4:固定床イオン交換体によるシス/トランスローズオキシドの異性化
使用した反応器は、3gのイオン交換体Lewatit(登録商標)SP112 H-形が充填され、ローズオキシド(30g)のための供給ポンプおよびサンプリングの貯蔵容器を備えた、ステンレス鋼製(長さ200mm;内径6mm)の加熱反応管であった。反応器は、細流方式で運転した。ローズオキシドを、シス-対トランス-ローズオキシドの比が>10:1に達するまで、固定床上を55℃にて循環させた。表5に挙げた、ガスクロマトグラフィーで確かめられた結果が得られた。]
実施例

[0044] 5時間後、シス-対トランス-ローズオキシドの比は11.6:1に達した。最後に、得られたローズオキシドを、蒸留によって二次的成分から分離した。これにより、シス-ローズオキシド92.12%およびトランス-ローズオキシド91.67%の蒸留後の収率が得られた。]
权利要求:

請求項1
式(I)のシス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランの製造方法であって、a)水素、および担体上にルテニウムを含む不均質触媒の存在下で、式(II)の2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチレンテトラヒドロピランを触媒的に水素化して、式(I)の化合物および式(III)のトランス-2-(2-メチルプロプ-1-エニル)-4-メチルテトラヒドロピランを含む反応混合物を得る工程; ならびにb)適切であれば、工程a)に従って得られる反応混合物から式(I)および(III)の化合物を分離する工程;およびc)工程a)またはb)で得られる式(I)および(III)の化合物を強酸性カチオン交換体と接触させ、式(III)の化合物を異性化させて式(I)の化合物を得る工程を含む、前記方法。
請求項2
3-メチルブタ-3-エン-1-オールと3-メチルブタ-2-エン-1-アールとを、酸の存在下かつ水と共沸混合物を形成する溶媒の存在下で水を遊離させながら反応させることによって、式(II)の化合物を提供することを追加的に含む、請求項1記載の方法。
請求項3
3-メチルブタ-3-エン-1-オールと3-メチルブタ-2-エン-1-アールとの反応中に遊離される水が、使用される溶媒との共沸蒸留によって反応混合物から分離される、請求項2記載の方法。
請求項4
トルエン、クロロホルム、n-ヘプタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンを含む溶媒の群より選択される、水と共沸混合物を形成する溶媒が使用される、請求項2または3記載の方法。
請求項5
3-メチルブタ-3-エン-1-オールと3-メチルブタ-2-エン-1-アールとの反応が、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または硫酸水素アルカリ金属塩の存在下で行われる、請求項2〜4のいずれか1項記載の方法。
請求項6
硫酸水素アルカリ金属塩が酸として使用される、請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
請求項7
硫酸水素ナトリウムが酸として使用される、請求項2〜6のいずれか1項記載の方法。
請求項8
工程a)が、炭素担体上にルテニウムを含む触媒の存在下で行われる、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
請求項9
工程a)が、担体上に鉄をドープされたルテニウムを含む触媒の存在下で行われる、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
請求項10
工程a)が、炭素担体上に、各場合に完成した触媒に基づいて、0.1〜10重量%のルテニウムおよび0.1〜5重量%の鉄を含む触媒の存在下で行われる、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
請求項11
工程c)において、使用される強酸性カチオン交換体がLewatit(登録商標)SP112および/またはAmberlyst(商標)15である、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
請求項12
カチオン交換体が固定床の形態で使用される、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
請求項13
プロセス工程c)が連続的に行われる、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
請求項14
異性化されるべき式(I)および(III)の化合物の混合物を、前記強酸性カチオン交換体と、あるいは異なる強酸性カチオン交換体と、連続して数回接触させるようにプロセス工程c)が行われる、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
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